オペ室の役割 器械出し看護師ってなにするの?

こんにちは
オペ室看護師のcharです


【器械出し看護師】ってどんなイメージですか?

  • 「メス」と言われてメスを渡す仕事
  • 内臓や血をみても平気そう
  • 普通の看護師とは違いそう   などなど、、、


私もオペ室に配属されたときは、器械を渡す仕事、くらいにしか考えていませんでした。


ですが実際に器械出し看護をしてみると、
器械を渡す難しさや覚えることの多さにびっくり
でもそれ以上に
手術をやり切った達成感や先輩看護師や医師に褒められる嬉しさがありました


そんな器械出し看護師について、くわしく紹介していきます!

目次

器械出し看護師とは? 4つの仕事

器械出し看護師の仕事内容をおおまかに分けると、4つあります。
それぞれがどんな仕事なのか、みていきましょう!

①情報収集

器械出し看護師は手術につく前に、患者さんや手術の情報収集をします。

どんな疾患なのか、どこに病変があるのか、術式は何か、既往はあるのか、執刀医は誰か、、、


この情報をもとに器械出し看護師がなにをするのかというと、
手術の流れを予測して、必要なもの・必要になるかもしれないものの準備です。


例えば
 ・開腹手術の既往があり、腹腔鏡手術から開腹手術に変更になるかもしれない→開創器などを集めておこう
 ・抗血小板薬を使用しているから、血が止まりにくいかもしれない→ガーゼや止血剤を多めにしておこう


あらかじめ準備しておくと物を取りに行く時間を省けます。
術中に部屋の扉の開け閉めは、感染のリスクを上昇させます。
なので事前準備は感染予防というメリットも。

②器械展開

器械展開とは
手術に必要な器械・物品を清潔野に出して準備しておくことです。

ここで大切なのは
滅菌状態(「清潔」と言われます)を保つこと

なぜ滅菌状態でないといけないのか?
手術部位感染(SSI)の予防のためです。
 手術では皮膚(バリア)を切開するため体内に病原体が入りやすい状態に。
 細菌のついた器械を使用すると、感染症の原因となります。

器械展開をするときに確認することは ↓↓

  • 滅菌期限は切れていないか
  • 滅菌パックや不織布に破損がないか
  • 滅菌インジケーターは変色しているか

滅菌されていても、
滅菌されていないもの(床・壁・人の手など)に触れてしまうと、
滅菌状態とは言えません(「不潔・汚染」と言われます)ので、
滅菌物と周囲の距離が近くならないように気を付けています。

オペ室スタッフが帽子を被っているのも清潔野を守るためです。
髪の毛が落ちると不潔になります。
他にもピアスやつけまつげ、汗も落下する危険があるので注意です!




器械展開でどこまで準備するかは病院によって違います。
物品を出すだけだったり、
器械・ガーゼカウントまでしたりと様々です。

③器械出し

手術について必要な器械を準備して医師に渡します。
このときに大切なのは、器械を正確に素早く渡すことです。


適切な器械を素早く渡すためには、
医師がどの器械を必要とするのかがわからないとできませんね。


次の器械がわかるようになるには、知識と経験が必要。
できるようになるまで時間がかかります。

ですが何度も手術についていくうちに、
「血管処理ではこの鉗子と糸が必要だ」
「もうそろそろ標本が出るから、受け取る準備をしよう」
とわかって準備できるようになります!

次はこれだ!と思う器械を手に持って準備していると
「準備できてるやん。よくわかってる。」
と医師から褒められたことがありました。
褒められると嬉しいですし、もっとがんばろうと思いました!

器械出し看護師は器械を渡す以外にも

  • 清潔管理
  • メスや針などの危険物の管理
  • 器械の整理整頓         をしています。

手術終盤では体内遺残防止のために
器械・ガーゼカウントをします。

④片付け・器械洗浄

手術が終われば片づけです。
器械洗浄を自分たちでする場合は、洗浄室へ器械を運んで洗浄します。
委託業者or中材勤務者がする場合は、器械の不足がないことを確認して依頼します。

集めていたけど使用しなかった物品や器械を定位置へ戻して、
別の手術で使用できるようにしておくことが大切です。

物品をもとの位置に戻す
簡単そうですが、オペ室でなくても病棟でも大切なことです。
医師や患者さんを待たせていると思うと焦るし、
探す時間ももったいないし、、、
日頃から片付ける癖をつけておくといいですよ!

器械出し看護師に必要な 4つの能力

①清潔不潔の区別ができる

器械展開でも説明しましたが、
清潔が保たれていないとSSIの原因となり得ます


清潔と不潔の境目は目に見えるものではありません。
(境目に線が引いてあるとか、不潔になったら変色するなんてことはないです。)


なので器械出し看護師は周囲に気を配って、
清潔範囲からはみ出した器械や物品があれば、
手術では使わないようにするという判断をしなければなりません。
術中に不潔になった時の対応も知っておきましょう!

床に落ちそうになったものを拾う、汗を拭くなどの行為も
手術中では不潔になるためできません。
清潔不潔の感覚が身につくまでは、
自分の行動ひとつひとつに注意しましょう!

②記憶力

器械出し看護師は覚えておくことがいっぱい、たくさん、山ほどあります!!

新人のときは初めてのことが多いので、どうしても覚えることが多くなります。
でも経験を積んでも初めてのことはあるので、やっぱり覚える力が必要です。

器械の名前、器械の渡し方、器械の組み立て方、
手術の流れと手順、糸針や縫合器などの物品の名前、、、

覚えてしまえば楽になりますが、覚えるまでは大変です

「覚えないとダメ?メモは見れないの?」と思いましたか?
器械出し看護師は清潔なので、
マニュアルやメモ帳などの不潔なものには触れません
私は壁に大きな文字で書いたメモを貼ってました!

③正確さとスピード

器械出し看護師は器械を正確に素早く渡すことが求められています。

正しい器械だけどゆっくり、早く渡してくれるけど器械が間違っている、
これでは時間がかかるし、手術のリズムが崩れてしまいます。

正確さとスピードは

  • 器械の名前を正しく覚えているか
  • 手術の流れと手順を覚えているか
  • 器械の使用方法を理解しているか
  • 器械を渡しやすいように整理整頓しているか

この4つができていれば大丈夫!
でもすぐにできるようにはなりません
勉強して知識を身につける、たくさんの経験を積んで慣れることが必要です。

④対応力

手術はよく予定外のことが起こるので、
器械出し看護師は柔軟な対応力が必要です。

必要なものを医師に確認する、
外回り看護師に状況を報告して物品を依頼する、
必要な器械と物品を選別して渡しやすいように整える、、、

あれ?いつもと違う!と思っても焦らず落ち着いて、
自分が何をすべきかを考えましょう。


これも正確さとスピードと同じように、
すぐにできるようにはなりません
経験を増やして、少しずつ鍛えていきましょう!

その手技するってカルテに書いてなかったじゃん!
と思うことがよくあります。
焦らず対応するには、異変に早く気付くことが大切です。
術野や医師の様子をよく観察しましょう!

器械出し看護師に向いている人とそうでない人

器械出し看護師が向いている人とあまりおすすめしない人について
紹介していきます。

器械出し看護師が向いている人

緊張感がある仕事をしたい人

器械出し看護師に緊張はつきものです。
初めての手術はもちろん、何度も経験していても手が震えるくらい緊張することはあります。
そんな緊張感の中で働きたいという人にはおすすめです。

自分を振り返られる人

器械出しは「できなかった」と思うことが多いです。
このくらいでいいかと妥協すると、そこから上達はしません。
何がダメだったのか、もっと上手になるにはどうしたらいいかを考えることができる人は、
どんどん成長していけるので、やりがいを感じられるでしょう。

新しいことを学ぶのが好きな人

1つの診療科でも多くの疾患と手術があります。
手術方法も新しいものが増えているので、いつまでたっても勉強中。
新しい知識を得ることが好きな人には、楽しく感じられると思います。

細かい作業が得意な人

髪の毛より細い糸や米粒サイズのネジを扱うことがあります。
針に糸を付けたり、糸の器械の先端でつかんだりします。
苦手な人はほんとに苦手です、、
細かい作業ができる人の方が苦戦しなくていいかなと思います。

体力がある人

手術はずっと立ったままです。
長いときは出勤してから夕方まで休憩がとれないこともあります。
緊張もするし集中しているので、終わった時にはヘトヘト。
体力はあるに越したことはないです。

メンタルの強い人

手術についていけていなくて医師に怒られたり、先輩に注意されることがあります。
気持ちが立て直せないと、緊張や怒られる恐怖でさらに器械出しがおぼつかなくなり、
また怒られるという負のスパイラルに、、、
まだがんばれる!という強い気持ちを持てる方がいいです!

器械出し看護師をおすすめしない人

コミュニケーションが苦手な人

「言ったor言ってない」「聞いたor聞いてない」を避けるためも、
手術中にコミュニケーションは必須です。
医師に必要なものを確認したり、指示を復唱したり、外回り看護師と情報共有したり、、、
コミュニケーションが苦手な人は、慣れるまで大変かもしれません。

臨機応変な対応が苦手な人

急な術式変更や緊急手術があると、準備ができていない状態で臨むことになります。
なのでその場で情報収集して判断して対応していきます。
予定変更で手が止まるタイプの人には難しいかも。

自分のペースで仕事をしたい人

手術は医師のペースで進むので、当然器械出しもそのペースに合わせます。
ゆっくり準備したい、手順をしっかり確認してから実施したい、という希望は叶いません。
他人のペースに自分のペースを合わせられる人の方がよりいいですね。

まとめ

器械出し看護師は一人前になるまで、だいたい1~2年はかかります。
それまでの勉強は大変ですし、怒られることもあります。

私も15年以上働いてますが、
前日から緊張するような手術や、初めての手術もたくさんです。

それでも長い手術を乗り切ったり、手順を必死に覚えた成果が発揮されたりすると
やりがいや達成感を感じます。
医師に褒められたり、患者さんにお礼を言われたり、
同僚にねぎらいの言葉をかけられると、
もっと頑張ろうと力になります。


このような経験ができるので私はオペ室勤務を続けています。


看護師の中でも特殊な業務な器械出し看護師ですが、
興味を持ってもらえたり、やってみたいと思ってもらえたら嬉しいです!

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