こんにちは
オペ室看護師のcharです。
少し前にドキッとしたニュースがありました。
みなさんは目にされましたか?
そのニュースは
「骨折していない足に人工骨頭術をおこなった」
という内容でした。
なんでそんなことになったん?と思いましたが、
医療事故はどこでも起こる可能性があります。
今回は医療事故になる前の
インシデント
について話していこうかと思います。
インシデントは外回り看護師、器械出し看護師に関係なく生じます。
それぞれの役割をまとめてます。


医療事故とインシデント

医療事故にインシデント、アクシデント、、、
聞いたことはあるけど何が違うの?



簡単に言うと、患者さんに実害があったかどうか、事故の原因が医療従事者にあったかどうかで区別されます。
- 医療事故
-
医療に関わる場面で生じた事故。実際に影響や障害があるもの。
- 医療過誤
-
医療事故の一部で原因が医療従事者の過失であるもの。
- アクシデント
-
医療事故に相当するもの。
- インシデント
-
医療の過程でエラーや不具合が生じたが、患者への障害や影響を与えていないもの。
ヒヤリハットという言葉もあります。
ヒヤリハットは「ヒヤリとした」「ハッとした」という場面のことです。
インシデントとの違いは、出来事が生じたかどうかです。
例えば、
ヒヤリハット:点滴の準備をするときに処方箋と準備した薬剤が違うことに気が付いた
インシデント:アルコール禁の患者さんにアルコール綿花で消毒したが、皮膚トラブルは生じなかった
という違いがあります。
インシデントには影響度分類というものがあり、内容でレベル分けされています。
| レベル | 内容 |
|---|---|
| レベル0 | エラーや医薬品・医療器具の不具合があったが、患者には実施されていない |
| レベル1 | 患者への実害はない(何らかの影響を与えた可能性は否定できない) |
| レベル2 | 処置や治療は行っていない(バイタルサインの軽度変化、患者の観察の強化は生じた) |
| レベル3a | 簡単な処置や治療を要した(消毒、皮膚縫合、鎮痛剤の使用など) |
| レベル3b | 濃厚な処置や治療を要した (バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院、骨折など) |
| レベル4a | 永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない |
| レベル4b | 永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う |
| レベル5 | 死亡(原疾患の自然経過によるものを除く) |
レベル3a以上がアクシデントに該当します。
インシデントレポートとは?



インシデントレポートを提出してって言われたけど、
なんで提出しないといけないの?
患者さんには何も影響がないのに、、、



インシデントレポートは医療安全向上のために必要な報告書です。
情報共有して同じ過ちを繰り返さないように対策を考えましょう。
インシデントレポートを提出するって、ネガティブな気持ちになりませんか?
自分のミスを振り返って、なぜそうなったのか、どうしたら防げたのかと考えるのは、つらかったりします。
でもインシデントレポートは同じ過ちを繰り返さないために、
事例の原因を分析して、対策を講じることが目的です。
インシデントがアクシデントにならないようにしなければなりません。
インシデントレポートの書き方と注意点
インシデントレポートは病院によって、決まった書式があるかと思います。
記載内容としては
患者情報、当事者情報、インシデント影響度レベル、インシデントの概要、発生要因、対策などです。
その中のインシデントの概要は文章で書く必要がありますが、
実際に書いてみると難しいです
概要の書き方と注意点を説明するので、書く時の参考にしてください!
発生状況はわかりやすく
インシデントレポートは他部署・多職種の人が読んでもわかるように書く必要があります。
オペ室では当然のことも、他の人には伝わらないこともたくさん。
いつ・どこで・誰が・誰に・なぜ・なにを・どのように
この7つの項目に当てはめながら書くと、相手に伝わりやすい文章になります。
NG:アルコールで消毒をしてしまった。
OK:10時頃、患者Aはアルコール禁忌の対応であったが、術野の消毒をアルコール入りの消毒液で行った。
客観的に事実を書く
インシデントレポートに主観が入ると、事実と異なる場合があります。
客観的に書くように心がけましょう。
NG:標本名を記載する紙に「左〇〇」と書いたつもりだったが、実際には「左△△」と書いていた。
OK:標本名を記載する紙に「左△△」と間違えて書いていた。
簡潔で無駄のない文章を
状況が伝わるようにと多くの情報を入れると、内容が多くなりすぎてわかりにくくなります。
文章を書いた後は、無駄な情報が含まれていないか、省いても問題のない情報はないかを確認しましょう。
NG:外科の緊急手術についていた。急に担当することになって焦っていて時間もなかったので、
患者さんのアレルギー情報を見れなかった。
OK:外科の緊急手術についていた。患者さんのアレルギー情報の確認を怠った。
言い訳や反省文にならないように
インシデントレポートは医療事故防止が目的です。
個人的な言い訳や反省が入ると、インシデントの発生原因がわかりにくくなります。
そのような表現に注意しましょう。
確認をしたつもりだった→確認を怠った
忙しかった→業務が重なっていた
自分の言い方が悪かった→説明が不十分だった
対策は具他的に
インシデントが発生したら、どうしたら同じ過ちを防げるのかを考えることが大切です。
対策は新人スタッフもベテランスタッフも、どんな人でも実行できるものが望ましいです。
また同じような状況になったときに、実際に使える対策でないと意味がありません。
「確認する」よりも「確認する内容をリストにしておき、確認が出来たらチェックする」のほうが、
忙しい中でも抜けはないかもしれません。
部署の状況に合わせた対策を考えましょう。
オペ室のインシデントレポートの例文
私が今までにオペ室で経験したインシデントレポートを紹介します。
当時のそのままの内容ではないですが、オペ室で生じる可能性の高いインシデントかなと思います。
①禁忌肢で血圧測定を実施した
〈概要〉
私は眼科手術の応援に入っていた。
患者は左乳房切除の既往があり、左上肢での血圧測定は禁忌だった。
入室前に外回り看護師から情報提供があったが、他の業務をしている間に忘れて、血圧計を左上肢に巻いた。
外回り看護師より指摘を受けて、禁忌肢で血圧測定をしていることが発覚した。
〈対策〉
オペ室内に禁忌の内容を書いた紙を貼っておく
血圧計を巻く前に患者に確認する
②腹腔鏡のスコープで患者が火傷した
〈概要〉
私は腹腔鏡下胆のう摘出術の器械出しについていた。
標本を体内から取り出す際、腹腔鏡のスコープを一時的に患者の上に置いた。
再度スコープを使用するときに、ドレープが焼けていることに気が付いた。
手術終了後、患者の皮膚を確認すると火傷していた。
〈対策〉
スコープは患者の上に置かず、器械台の上に置く
ドレープなどに触れて焼けないように、スコープの先端は浮かせて置く
スコープはライトの電源が点いていると熱を持つため、短時間であっても使用しないときはライトの電源を切る
まとめ


インシデントレポートは同じ過ちを繰り返さないようにするためのものです。
事実を客観的に書き、実際に実行できる対策を考えましょう。
初めは書き方や対策がわからないかもしれません。
これでいいのかなと心配になったときは、
部署の先輩や、同じインシデントに関わったスタッフに読んでもらって、
アドバイスをもらいましょう。
インシデントレポートを書くことは悪いことではありません。
インシデントレポートには、
もっと安全な医療を提供するためにどうしたらいいか
を考えるきっかけがたくさんあります。
患者さんにとって安全な医療が受けられるように、
医療従事者が安全な医療を提供できるように、
インシデントレポートを活用していきましょう!

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