こんにちは
オペ室看護師のcharです。
オペ室で働いてもう10数年が経ち、
たくさんの患者さんと出会いました。
その中でもっとも印象に残った患者さんのお話を
させてもらいたいと思います。
患者さんの疾患とは?
患者さんは産後の方で
子宮内反症になっていました。
子宮内反症とは
子宮の内膜面(内側)が膣内や膣外に反転している状態のことです。
原因は胎盤剥離前にへその緒を引っ張ることが多いです。
その他に癒着胎盤、多胎児、羊水過多などが要因になります。
症状は分娩直後の突然の下腹部の激痛、異常出血です。
大量出血からショック状態に陥ることもあります。
治療は子宮の整復(元の形に戻す)とショックへの対応です。
手で押し戻して元に戻す(用手的整復)ことができなければ、
全身麻酔をかけて開腹手術で対応します。
子宮内反症について詳しく知りたい方は、日本産婦人科医会のページをどうぞ。
準備の雰囲気で重大さに気付く
私はこの緊急手術の外回りを担当しました。
子宮内反症の症例の経験がなかったので、
私はなにがどうなるのか、理解できていませんでした。
ですが、緊急用の輸血が届いたり、
急速輸液できる器械が準備されたりするのを見て、
「あ、これはやばい」と感じました。
まもなくして患者さんが手術室にきました。
産婦人科の医師が患者さんの上にまたがって、
止血しながらストレッチャーで運ばれてくるという状況でした。
ずっと忘れない患者さんのひとこと
運ばれてきた患者さんは
顔面蒼白で意識ももうろうとしていました。
それでも名前の確認はしないとと思い、
「お名前を言ってもらっていいですか?」
と尋ねました。
患者さんはちゃんと名前を答えてくれました。
そして
「死にたくない」
と言いました。
私はその言葉を聞いて
患者さんの置かれた状況とその思いを感じて、はっとしました。
「うん、そうですね。がんばりましょう。」
それ以外に言える言葉が思いつきませんでした。
手術に対する認識が変わった
これまでも麻酔から目が覚めるのかと心配する患者さんや、
すぐに手術をしないと助からないような患者さんはいました。
ですが「死にたくない」という言葉を聞いたのは初めてでした。
私にとって手術室と死は遠いもので、
手術は病気を治すための手段のひとつという認識でした。
でも病気を治すこと=生きていくことなんだと気づきました。
だからどの患者さんも程度の差はあれど
生きていくために手術室に来ているんだと。
オペ室看護師としてできること
患者さんの手術への不安な気持ちに寄り添う意識はあっても、
なんのために手術室に来たのか、
手術を選択するときにどんな気持ちを抱いていたのか、
手術後はどのような経過が待っているのか、
そういった患者さんの背景まで考えたことはなかったなと思いました。
今は患者さんの発言や治療経過を知るように心がけています。
術前訪問でも手術のこと以外に家族のことやリハビリのことなど、
患者さんが気になっていることを聞くようにしています。
「歩けるようになるんかな? リハビリをがんばったら大丈夫?」
「お父さんは1人じゃなにもできないのよ。だから早く帰りたい。」
そうやって色々話を聞くと、手術室で患者さんにかける言葉も変わりました。
かける言葉が変わったからといって
患者さんの不安や心配がなくなることはないです。
でも私は少しでも気持ちが和らげばいいなという気持ちで、
これからも患者さんと会話をしていきたいと思います!

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